大判例

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釧路地方裁判所帯広支部 昭和27年(タ)8号 判決

原告 高村カツエ

被告 高村勇夫

一、主  文

原告と被告とを離婚する。

長男研一及び二女日月子の親権者は原告と定める。

訴訟費用は被告の負担とする。

二、事  実

原告訴訟代理人は主文第一、二項と同旨の判決を求め其の請求の原因として原告と被告とは昭和二十年一月二十七日婚姻届出をした夫婦であつて長男研一及び二女日月子を有しているものであるが、被告は昭和二十四年一月二十一日福島地方裁判所若松支部に於て詐欺罪により懲役二年に、又同二十六年六月二十日釧路地方裁判所帯広支部に於て詐欺罪により懲役二年に処せられ前刑については宮城刑務所に於て其の刑の執行を終り、後刑については現在帯広刑務所に於て其の刑の執行中のものであつて、右各刑の執行中は其の妻たる原告及び其の子女に対する扶養をなすことができないため原告は其の生活の困難を来し自ら働き且つ日雇労働をしている原告の父荒谷吉太郎の援助を受けて辛うじて其の生活を営み且つ子女を扶養して居る次第であるが、かかる事実は民法第七百七十条第一項第五号の婚姻を継続し難い重大な事由に該当するから原告は昭和二十七年九月十九日釧路家庭裁判所帯広支部に原被告間の離婚に関する家事調停の申立をなしたが、調停不調となつたので原告と被告とを離婚し長男研一及び二女日月子の親権者を原告と定める旨の判決を求めるため茲に本訴に及ぶと述べ立証として甲第一乃至三号証を提出し証人鎌田石衛、荒谷吉太郎並びに原告本人の各訊問を求めた。

被告は原告の請求を棄却する旨の判決を求め其の答弁として原告主張の事実中原告主張の日時に原被告の婚姻届出がなされ原被告が夫婦となつた事実、原告主張の如く子女二名を有する事実、原告主張の如く被告が二回に亘つて懲役刑の言渡を受け其の刑の執行を受けた事実、被告が現在服役中である事実、原告主張の如く調停不調となつた事実は之を認めるが其の余の事実は之を争う。仍つて被告は原告の本訴請求に応じ難いと述べた。

尚当裁判所は職権にて被告本人の訊問をした。

三、理  由

按ずるに成立に争ない甲第一号証(戸籍謄本)当裁判所が真正に成立したと認める同第三号証(電話聴取書)に証人鎌田石衛、荒谷吉太郎の各証言並びに原告本人訊問の結果を綜合すれば原告主張の日時に原被告の婚姻届出がなされ原被告が夫婦となつた事実、原告主張の如く子女二名を有する事実、原告主張の如く被告が二回に亘つて懲役刑の言渡を受け其の刑の執行を受けた事実、被告が現在服役中である事実、右刑の執行中被告は其の妻たる原告及び子女の扶養をなすことができなかつた事実、原告は其の生活の困難を来し自ら働き且つ日雇労働をしている原告の父荒谷吉太郎の援助を受けて辛うじて其の生活を営み且つ子女を扶養している事実を窺知することができる。かくの如く二回も犯罪を犯し家族の生活に重大な支障を与えたことは民法第七百七十条第一項第五号の婚姻を継続し難い重大な事由に該当するものと謂わねばならない。果して然れば原告と被告とを離婚する旨の判決を求める原告の本訴請求は其の理由がある。尚前記認定の各事実を斟酌し長男研一、二女日月子の親権者は原告と定めるを相当と認めこの点についての原告の本訴請求をも認容し訴訟費用の負担につき民事訴訟法第八十九条を適用し主文の如く判決する。

(裁判官 羽生田利朝)

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